副鼻腔炎の診断・治療

副鼻腔炎副鼻腔炎は急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に大別されます。急性副鼻腔炎は細菌やウイルスの感染が原因となりますが、慢性副鼻腔炎は病態が多様で治療方法も様々です。慢性副鼻腔炎の治療に当たっては慢性副鼻腔炎の病態(病状のタイプ)を鑑別して診断することが重要です。症状や病歴だけでなく、アレルギー性鼻炎・喘息・鼻中隔弯曲・鼻茸などの有無や鼻汁の性状、画像所見(X線検査やCT検査)などを参考にして、個々の患者様の慢性副鼻腔炎の病態にあった治療を行います。

副鼻腔炎の症状

鼻づまり副鼻腔炎の症状としては、

  • 鼻閉(びへい):鼻づまり
  • 鼻漏(びろう):はなみず
  • 後鼻漏(こうびろう):はなみずがのどに垂れる
  • 痰・咳
  • 頭痛・顔面痛
  • 嗅覚障害:匂いがわからない

などの症状があります。

副鼻腔炎の検査

前鼻鏡検査

診察鼻腔の状態を視診します。実際には鼻腔の前の方しか見えません。

電子スコープによる内視鏡検査

内視鏡検査鼻腔内の奥まで詳しく観察します。鼻腔の形態(個人個人によって様々です)、鼻茸(鼻ポリープ)の有無、鼻汁の存在する部位、後鼻漏の有無などを観察します。

X線検査

レントゲン検査副鼻腔には上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞の4つがあります。どの副鼻腔が罹患(病変があるか)していているかを調べます。鼻腔内に異常所見が見られない副鼻腔炎もあり、X線検査は重要です。顔面・頭部のみの検査ですので体の他の部分の被爆はありません。また、当院では被曝線量の少ないX線検査装置を使用しておりますので妊婦の方でも検査は可能です。

CT検査

CT検査は副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞の4種、左右8つ)の詳細な病状が把握でき慢性副鼻腔炎の病態の鑑別診断にも重要です。

当院は近隣の世田谷下田総合病院放射線科と連携しており受診当日のCT検査が可能です。午前10時までに当院においでいただければ午前の診療中にCT検査結果をご説明できます。午後診療の場合には16時までに当院においでください。診療の順番予約の予定時刻がそれ以後の場合でも、上記の時刻までにおいでいただき受付に声をかけていただければ世田谷下田総合病院に検査を依頼します。

細菌・真菌検査

細菌検査必要に応じて、副鼻腔炎の原因となっている細菌の種類を調べます。
(例:肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌など)

治療方法

薬物療法・吸入療法

薬物療法ネブライザー療法急性副鼻腔炎は抗菌薬による治療を行います。
慢性副鼻腔炎に対しては病態(病状のタイプ)にあわせた薬物を組み合わせます。
慢性副鼻腔炎にはマクロライド少量長期療法がよく用いられます。これは14印環という構造を持つマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン)を通常量の半量で長期間(2週間から数ヶ月間)服用する治療です。抗菌作用の弱い抗生物質をさらに半量で用いるので長期間服用しても安全です。マクロライド少量長期療法は細菌に対して働くのではなく、鼻・副鼻腔粘膜の慢性の病的状態を正常化し鼻汁や後鼻漏を徐々に改善します。

代表的な手術療法

慢性副鼻腔炎が薬物療法で改善しない場合や鼻茸がある場合、また鼻中隔が強く弯曲している場合には手術療法が必要となります。

手術1:内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS:Endoscopic Sinus Surgery)

内視鏡を使用してより安全で低侵襲(傷が少ない)な手術を行っております。手術操作はすべて鼻の穴から行い、鼻茸を切除し罹患している各副鼻腔の病的な粘膜を除去し、各副鼻腔を鼻腔に大きく開放して副鼻腔炎が再発しにくくします。

手術2:鼻中隔弯曲矯正術

手術左右の鼻腔を仕切りする鼻中隔は誰でも多少は曲がっていますが、その曲がりの程度が強いと鼻閉や副鼻腔炎、また嗅覚低下・障害の原因となります。手術は鼻内から行い、曲がっている部分の鼻中隔軟骨・骨を摘出して鼻中隔をまっすぐにします。

手術3:下鼻甲介手術

鼻閉の改善を目的に、鼻中隔弯曲矯正術とセットで行われることが多いです。また、アレルギー性鼻炎に対する手術療法としても有効です。手術は内視鏡下鼻内手術で行います。

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